Circuit Componentsとは何か
Circuit ComponentsはNovationから提供されているCircuitのカスタマイズに使える無料ツール群です。
Circuit Components - Components | NovationMusic.com
これを使うと、自分が使いたいワンショットやフレーズサンプルをインポートしたり、シンセ音源を1から作りこむことができたりします。Circuitを遊び倒すのにうってつけの機能ばかりです!
ひととおり遊んでみたけど、もっとこういうことがしたいな、とCircuitに慣れてきたころに使うとさらに楽しくなりそうですね。
Circuit Components以下のものから構成されています。
- SAMPLE IMPORT
- EDITOR
- LIBRARIAN
- FIRMWARE
いずれもコンピューターとCircuitをUSB接続して利用します。
本記事では各機能の概要をご紹介します。(各機能ともNovationが提供しているYouTubeビデオが概要をつかむのにとても良いと思います。)
SAMPLE IMPORT
Circuit Components - Sample Import | NovationMusic.com
SAMPLE IMPORTは自分の好きなサンプルをCircuitにインポートできる機能です。特別なソフトウェアをインストールすることなくブラウザで機能を利用できます。(ただし、ブラウザはGoogle Chromeを使う必要があります。)
- サンプルはドラム音源の音色としてインポートされ利用できます。シンセ音源としての利用はできません
- シンセ音源のエディットは後述のEDITORを使います
- ドラム音色は64種類ありますので、合計で64個のサンプルをインポートすることができます
- インポートできる音楽データはMP3もしくはWAV形式です
- サンプル全体で60秒までインポートできます
EDITOR
Circuit Components - Editor | NovationMusic.com
EDITORはCircuitのシンセ音源をエディットする機能です。これは専用のソフトウェアを使います。Mac、Windows向けにそれぞれMax For Live版とスタンドアロン版ソフトウェアが出ています。
- Macスタンドアロン版は「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可:すべてのアプリケーションを許可」にしておかないと「アプリケーションが壊れています」と表示されて起動できませんので注意が必要です
- シンセ音源の64種類すべてをエディット可能です
- 音色だけではなく、ノブに割り当てるマクロ機能(LFOなど)もエディット可能です
- 音色をCircuitに転送するにはCircuit本体のsaveボタンを押すだけで良いです
- 音色のエディット目的ではなく、プリセットの設定確認用としても良さそうです。ノブがどのマクロが割り当てられてるかわかります
LIBRARIAN
Circuit Components - Librarian | NovationMusic.com
LIBRARIANはCircuitのsession群をまるごとバックアップする機能です。特別なソフトウェアをインストールすることなくブラウザで機能を利用できます。(ただし、ブラウザはGoogle Chromeを使う必要があります。)
- 32個のsessionを全てバックアップできます
- バックアップからリストアすることもできます
- 個別に「このsessionだけバックアップ/リストア」という機能ではないです
FIRMWARE
Circuit Components - Firmware | NovationMusic.com
FIRMWAREはCircuit本体の新しいファームウェアの配布です。Circuit自体の機能をアップグレードできます。
- 他のMIDIコントローラーからの信号をもとにCircuitシーケンサーにレコーディングできるようになりました
- 他のMIDIコントローラーでCircuitのパラメータを操作できるようになりました(ノブやフェーダーでCircuitのマクロノブパラメータを操作するイメージ)
- Ableton LiveとCircuitが自動で同期するようになった(ようです、試していません)
- ステップエディットが強化されました
- Macで試したところ、ファームウェアのアップグレードはディスクイメージで配布されています。ディスクイメージに入っているアプリケーションを起動させると自動的にファームウェアバージョンアップが始まります
- 出版社/メーカー: Novation
- メディア: エレクトロニクス
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Novation Circuitを買ったらやること
買ったらまずやることは開封して付属品に不足が無いか確認して、ACアダプターを接続して電源が入るか確認することです。
しかし、はやる気持ちが抑えられず、すぐに電源を入れてデモソングを楽しみつつノブを回してみたり、パッドを叩いてみたりすることでしょう。ようやく待ちに待った楽器との対面ですから、それが健全な接し方だと思います。
ひととおり遊びつくしたら一呼吸入れて、製品登録とバンドルのダウンロードをやってしまいましょう。というのも、製品登録などにはシリアルコード入力作業などがつきものですが、紙に印刷されて同梱されていますので、紛失したり、箱にしまっておいたりするとどんどん面倒になってしまいます。なので、買って遊び疲れてちょっと休憩な時に一気にやってしまうのが良いと思います。
製品登録
まず、製品登録をします。ここでポイントなのが2箇所に製品登録をする必要があるということです。日本の代理店であるHigh Resolutionと、Novationの2つです。
High Resolutionで製品登録するとPDFの日本語マニュアルをダウンロードできるようになります。
Novationで製品登録をするとバンドルソフトウェアのLive 9 LiteとFree Loopmasters Contentをダウンロードできるようになります。Novationでの製品登録やLive 9 Liteのオーソライズ方法は、High Resolutionで製品登録するとHigh Resolutionサイトでわかりやすい説明が案内されます。
バンドルのダウンロード
バンドルソフトウェアは先に書いたとおりNovationのサイトからダウンロードできます。High Resolutionのサイトではないのでご注意ください。Live 9 LiteとFree Loopmasters Contentがダウンロードできます。
Free Loopmasters Contentは僕の環境だと3時間程度ダウンロードに時間がかかりました。寝る前や特に作業が無い時にやるのが良いかもしれません。
Live 9 Liteのオーソライズ
Live 9 Liteを使う場合はインストールとオーソライズが必要になります。このオーソライズに必要なコードも紙に印刷されています。Liveを起動するとオーソライズしますかというウィンドウが開きますので、その案内に従って操作すればできます。
オーソライズ時にAbletonアカウント持っていない場合はアカウントを作成する必要があります。アカウントを作るとオーソライズをすることができるようになりますので、コードを入力して完了です。
- 出版社/メーカー: Novation
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Novation Circuitをどこで購入するか
結論から書いてしまうと、予算に見合った値段で、新品であればどこで買っても良いと思います。なぜ新品かというと、バンドル製品(Ableton Live 9 LiteやFree Loopmasters Content)やマニュアルは製品登録をしないと使えないからです。 これらのものは製品登録をしてダウンロードできるようになるため、中古の場合、前の利用者の人が登録をしているとどうなるか、というのは分かりません(利用規約などに書いてあるかもしれませんが、調べていません)
同梱品として紙に印刷されたマニュアルは、電源の入れ方など簡易なものだけです。Circuitはパッドやノブに様々な機能が割り当てられているため、機能が固定されていません。詳しいマニュアルがあったほうがいいと思います。
使い方は知っていて、とにかく楽器本体だけ欲しいという人はオークションなどで中古の購入でも良いでしょう。
Circuit Componentsというサイトでは以下のような便利な機能が提供されていますが、これらの利用には利用者登録したユーザでのログインを求められませんでしたので、中古で買ってもこれらの利用に問題はなさそうです。(ただし、Circuit Componentsの利用にはFacebookアカウントもしくはGoogleアカウントが必要となり、ブラウザはChromeのみ対応しています)
- Circuitのサンプルを入れ替えるウェブアプリ
- Circuit音色エディタの配布
- Circuitのバックアップウェブアプリ
- Circuitのファームウェア配布
Circuit Components - Components | NovationMusic.com
実機を触れるお店
買う前に実機を触ってみたいと思うかもしれません。東京・秋葉原のソフマップMacCollectionだと実機に触ることができました。 www.sofmap.com
Novation Circuitは誰向けの楽器なのか
久しぶりにサンレコ(2016年5月号)を買って読んだらNEW PRODUCT REVIEWのコーナーにNovation Circuitが紹介されていました。少し前からこういうパッド型の楽器が欲しいと思っていて、考えた結果、自分に合っている楽器だと思い購入しました。
購入にあたっては詳しいスペック(音色の数やシーケンサーの分解能など)も気になることですが、どういう利用場面があるのか?自分に合っている楽器なのか?が僕にとっては重要なことでした。そこで、購入にあたって僕が考えたことを紹介して、僕と同じようにこの楽器が気になっている人の助けになればと思い、この記事を書きました。
どんな楽器なのか
ポリフォニックシンセ×2 + リズムマシン×4 + シーケンサーという楽器です。特筆すべきは使用にパソコンが必要ないことです。イメージをスケッチするのにパソコン不要のスタンドアロン楽器というのは素晴らしい選択です。以下のビデオはNovationのプロモーションビデオです。実際に使っている場面を見てもらえるとイメージしやすいと思います。
それから、日本の代理店である株式会社ハイ・リゾリューションが撮影した日本語翻訳付きのデモンストレーションビデオがあります。これも見ていて本当に使いたくなります!
Novation Circuit デモンストレーションビデオ
誰向けの楽器なのか
誰向けの楽器なのかということですが、 「PCを使わないスタンドアロンのパッド型楽器を使って、鍵盤にとらわれず、手軽にリズムトラックを作りたい人」に合っていると思います。僕がなぜNovation Circuitに惹かれたのか?を考えたメモを以下にご紹介します。
- 手軽に音楽を作れて、PCを使わないスタンドアロンのパッド型音楽専用デバイスを使ってみたい
- iMaschine 2などiOSで使えるソフトウェアを持っているが、iPhoneの画面が小さいこと、物理ボタン、物理ノブでないことに不満を感じている
- iPad Proを購入したとしてもiMaschine 2はMaschineのサブ機的な位置づけの製品のため、本格的な音楽制作はiMaschine 2だけでは充分でないと感じている
- Maschine Studioも非常に魅力的だが以下の点に懸念点がある
- 反対にNovation Circuitはこれらのことを解消してくれそうだ。扱いやすいサイズで、Macが必要なく、スタンドアロンで、手軽に作曲が楽しめそうだ
- Circuit以外の製品として似たものがある。KORGのelectribeだ
- iMaschine 2などiOSで使えるソフトウェアを持っているが、iPhoneの画面が小さいこと、物理ボタン、物理ノブでないことに不満を感じている
- 鍵盤にとらわれない発想での作曲を試してみたい(僕は普段、Logic + FA-06で作曲をしています)
- 作曲できる音楽の幅を広げてみたい
- 出音が良い
- 出版社/メーカー: Novation
- メディア: エレクトロニクス
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